症例から学ぶ白血病診断

はじめに

日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG、現日本小児がん研究グループ(JCCG)血液腫瘍分科会)によって2005年から2010年にかけて実施された小児急性骨髄性白血病(AML)に対する多施設共同後期第Ⅱ相臨床試験AML-05、小児急性前骨髄球性白血病(APL)に対する多施設共同後期第Ⅱ相臨床試験AML-P05、ダウン症候群に発症した小児急性骨髄性白血病(AML)に対するリスク別多剤併用化学療法の後期第Ⅱ相臨床試験AML-D05では、診断の精度管理・標準化のためWHO分類に基づいた中央診断システムが導入されました。
そこで中央診断を行った600例を越える症例の経験を広く共有することを目的とし、AMLの診療に関わる医師や検査技師に向けたAMLの総合診断が学べる症例集を作成しました。

症例集の解説

症例一覧

WHO分類のAML病型分類ごとに症例を提示します。
臨床情報と血液・生化学検査の抜粋、骨髄形態写真とその解説、細胞表面マーカー解析結果、染色体・遺伝子検査結果を示し、それらを総合した最終診断について解説します。
なお、個人情報保護の観点から、症例の臨床情報については診断に差し支えない範囲で改変してあります。
AMLのWHO分類に基づく診断・分類は病歴や診察・検査所見などの臨床情報、形態学、細胞表面マーカー解析結果、染色体・遺伝子検査結果を統合して行われます。
これらを的確に解釈し正確な診断につなげるプロセスについて、この症例集を通して理解していただければ幸いです。

謝辞

本症例集で取り上げた症例の中央診断においては下記の方々(敬称略)のご指導・ご尽力をいただきました。厚く御礼申し上げます。

多和昭雄、足立壯一、多賀崇、林泰秀、高橋浩之、松下弘道、清河信敬、出口隆生、照井君典、橋井佳子、太田秀明、鶴澤正仁、駒田美弘、横澤敏也、堀部敬三、伊藤雅文(日本小児がん研究グループ 血液腫瘍分科会)

矢部みはる、蟹由公子(東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学)
田中由美子(東海大学医学部付属病院)

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